土佐あかうしの飼育状況が厳しい!?「幻の和牛」が直面している危機的状況とその対策とは。

繁殖経営安定緊急対策事業委託について紹介

 

幻の和牛」と称される土佐あかうしは、その出荷頭数が少ないことから”幻”という所以がついています。土佐あかうしは、ブランディングのために出荷頭数を減らしているのではなく、飼料の高騰といったような理由から自然と数が少なくなっています。本日は、そんな土佐あかうしの飼育や繁殖を改善し、頭数を増やす施策=繁殖経営安定緊急対策事業委託について紹介と解説を行いたいと思います。

 

飼育現場で起こっている現状は

 

現状、土佐あかうしの飼育農家が直面している問題などが複数あります。

 

  1. 飼料価格の高騰などにより、飼育農家の生産コスト上昇への危機感が強く、肉用子牛価格は大きく下落
  2. 高知県の子牛価格はセーフティーネットである肉用子牛生産者補給金制度の保証基準を大きく下回る状況
  3. 本県の肉用子牛の取引頭数はわずかである為、全国の平均売買価格は保証基準を上回ってしまいセーフティーネットは発動しない状況

 

高知県の子牛価格と全国平均子牛価格

令和4年7月時点では全国平均:640,581円に対して高知県:467,441円となっています。肉用子牛の再生産を確保することを旨として農林水産大臣が定める価格(保証基準価格):541,000円であり保証適応にはなっていません。

 

課題

①繁殖農家は、セーフティーネットのない粗飼料価格高騰と肉用子牛価格下落というダブルパンチを受けており、経営意欲が減退しています。

②飼料・資材等の高騰により子牛の生産費はさらに増大し、繁殖農家の所得割れの状況が続いています。

③飼料の高騰は長期化が見込まれており、回復基調にある肉用子牛生産基盤の弱体化が危惧されています。

経営がしんどい・・・
飼料は高いのに子牛は安い・・・

 

対策と効果

 

経営改善に取り組む農家に対して補助金を交付して支援

    • 対象子牛:県内家畜市場で令和4年7月~令和5年1月に販売する肉用子牛生産者補助金制度に個体登録済みの肉用子牛
    • 内 容 :販売頭数に応じて1頭当たり70,000円補助金を交付
  • 事業費 :32,751,000円

例)70千円/頭×450頭=31,500千円。事業委託料他 1,251千円。

    • 委託先 :(一社)高知県肉用子牛価格安定基金協会

経営意欲が改善され、肉用子牛の生産基盤が維持・拡大することを目指しています。

 

対象農家

 

<以下の8つのうち3つ以上に取り組む県内子牛用繁殖農家が対象となります>

 

  1. 経営分析
  2. 熱所対策
  3. 牛体管理の徹底
  4. 駆虫・防虫対策
  5. 子牛の疾病予防
  6. 寒冷対策
  7. 飼料効果の改善
  8. 添加物による栄養補助

 

まとめ

 

国や県は農家に対して、補助金や事業といった施策を講じています。しかしながらその施策全てが農家に届いて、現状が回復に向かっているかどうかというと難しい点ではあります。そのために本ホームページでは、土佐あかうしの情報サイトとして、このような現状直面している問題などもまとめて、問題定義や周知を行っていきたいと思います。